3月最後の雨は、年度末の名残りを洗い流すようでした。
荒れた空模様の中でも、桜の花びらは細かな雫を抱きながら、
静かにその色を深めていきます。
朝になって外に出ると、雨粒を抱いた桜が、
どこか誇らしげに、そして少しだけ大人びた表情でそこに立っていました。
4月1日、新年度の始まり。
社会の空気がふっと切り替わるこの日は、
スタートの象徴のように、心晴れやかになる日と感じます。
けれど、スタートといっても、
歩幅は自分で決めていいのです。
昨夜の雨が桜を急かさなかったように、
季節はいつも、静かに、淡々と次のページへと移っていきます。
雨に濡れた桜を眺めていると、
「準備ができたところから、そっと始めればいい」
そんな声が聞こえてくるようです。
花は、咲くタイミングを誰にも強いられません。
風の強い日も、曇りの日も、ただ自分のペースで開いていく。
その姿は、4月の私たちにとって、
何よりの励ましなのかもしれません。
新しい環境や役割に向かうとき、
どうしても“変わらなければ”という空気が漂います。
でも、本当に大切なのは、
外側の変化に合わせることではなく、
内側の声に静かに耳を澄ませること。
3月最後の雨が桜の色を深めたように、
過ぎていった日々もまた、今日のあなたを支える力になっています。
雨あがりの空はどこか軽やかで、
新しい季節へとそっと背中を押してくれるようでした。
4月1日という日は、
自分のペースで歩き出すことを許してくれる合図のように思えます。
急がなくていい。
焦らなくていい。
静かに息を整えながら、今日という新しいページを開けばいい。
桜は今日も、変わらずそこに咲いています。
あなたの新しい始まりを、そっと見守るように。

あなたの心の声に耳を傾ける
『Active listening』 担当 理瑚がお送りしました。